志麻さんのパウンドケーキの記事を上げていたら「作ってはみたものの、パサパサしてた」とがっかりする人が多いことを先日知りました。
その気持ちわかる。
せっかくやってみたのに、って悲しくなりますよね…。パサついたケーキを噛みながらションボリしちゃう。
わたしもそうです。
で、わたしのお菓子アドバイザー、妹に意見を求めたところ。
材料を正確に計り、室温に戻しておく
粉類はふるう
道具は全部そろえておく
よく混ぜる
オーブンの温度は正確に
…という、ごく普通の助言をもらいました。
いやちゃんとやってるよ?!と思ったんですが…
わたしの拙い知識も交えて考察すると、思いを新たにする事がありました。
ポイントは水分量
パサついている、という事はつまり水分が足りていないのですが、焼く前の生地ってべちゃべちゃしていますよね。
Q,何故、水分は無くなるのか?
A,作った時に水分を飛ばしてしまうから。
そしてそうなる原因が、
よく混ぜないから
混ぜすぎているから
手際が悪いから
だいたいこの3つ。
よく混ぜない→生地にムラが出て水分の無い部分がパサつく
混ぜすぎ→空気が含まれ過ぎると水分が飛びやすい
手際が悪い→生地中の化学反応がどんどん進んでいく
って感じ。
3番目の“化学変化”とは、主にベーキングパウダーの事です。
ネットで検索をかけたら「ベーキングパウダーが原因でパサつく」という意見が多いのですが、これも水分が関係しています。
ベーキングパウダーは中の成分が水分と結びつくことでガスが発生し生地を膨らませる。
つまり膨らむ時に材料の中の水分を使っちゃうモノだから、使えばどうしてもパサつきがちになる。
そしてさらに、お菓子作りに慣れていない人(わたし)がモタモタして時間をかける事でどんどん化学反応が進んでさらにパサつき度アップする。
こういう理屈でした。
でも志麻さんは「簡単にできるから」という理由で、あえてホットケーキミックス(ベーキングパウダーがあらかじめ入れられている)を使ったレシピを出しています。
おそらくベーキングパウダーを使うメリットのほうが、デメリットよりも高いんじゃないでしょうか。
お菓子は化学、実験はトライ&エラー
つまり、
初めて作るレシピは最初から「2回以上作る事になる」という心構えで臨み、
最初に出した助言、
材料を正確に計り、室温に戻しておく
粉類はふるう
道具は全部そろえておく
よく混ぜる
オーブンの温度は正確に
これらを守って作る。
できたものを基準にして、
上手にできたら問題なし、レシピはそのままでOK。
うまくいかなかったら『次は少し温度を下げてみよう』とか『もっと混ぜよう』など、改善点を探る。
そして、最初はうまく出来たのに何故か2回目はよくなかったなら『前回とどこが違うんだ?』と推理する。
そしてそれは、レシピ通りに作る事で可能になる(いい加減に作ると再現できないから)。
…って事じゃないでしょうか。
そしてこう考えると、ケーキを上手に焼くってけっこう難しいことなんですね。
いや、全てのものがそうか。
モノを買う=誰かの工夫や労力を買う
そういえば、以前「情熱大陸」って番組で80代の現役パン職人さんが出ていたのですが、
パン生地をこねながら「なんかいつもと違うな…」とかいいながら目分量で小麦粉をザバーッと足して、感覚で納得のいく「いつもの生地」にして、
オーブンに入れた後もその前から離れず、時々刻々と様子を見ていました。
毎日毎日それを繰り替えして80歳を過ぎ、「まだ100点のものは作れないね~」と笑っておられました。いやーかっこよかった。
…じゃなくて、プロの人でもそうやって、その時その時の最適な状態にする努力をする訳じゃないですか。
だったら、普段お菓子を作らないわたしなんぞ、ポンと作って最初の一発目で上手く仕上げようなんて、おこがましい考えだったな…と思うし、
プロが売っているお菓子も「高いな~」じゃなく「おお…こんなに上手に出来てるものを…ありがとうございます…買わせていただきます」って気持ちになります。
でもそういう気持ちって、自分でやってみないとその大変さとか価値に気づけないし、
自分でやってみるって、たとえ上手にできなくても楽しい。もちろん上手にできたらうんと嬉しい。
だから『シロウトも可能なやり方』を編み出し、教えてくれているのが、志麻さんたちプロの料理家の人たちなんだなって思います。
自分で作ってみると、出来合いのものを買えるってなんて楽でありがたいものなんだろう…って思います。
それで、そう思いつつやっぱりまた自分で作っちゃう。
ホームメイドのお菓子は良し。
プロのお菓子も良し。
どっちも楽しんでいきたいと思いました。
…って食べてばっかりです宣言みたいになってしまった。
ダイエットも頑張らなくちゃ…。
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